小悪魔と仮面舞踏会


「そうか…好きな奴でも居んのか?」

私は首を横に振った。

『ただ私は彼氏とか付き合いたいとかそういう願望はないの。特定の人と付き合う気ないから。少なくとも今はね。』

私がそう言うと

「分かった…ありがとな。わざわざ。」

苦笑いを浮かべてそう言った。

『それじゃ。』

それだけ言うと私は谷元君の前から立ち去った。

翌朝

「瑠美音…なんでフッたの?」

私が教室に入って来ると実瑚がすごい剣幕で

おはようの挨拶もせず迫るようにそう言ってきた。

私はため息をつき

『好きじゃなかったから』

とだけ言って自分の席に着いた…。

会って最初に言うことが谷元君と私のことなんてね…。

実瑚は私の目の前に立つと

「私のせいなの?そうなの?ねぇ?」

と私の肩を揺すって聞いてきた…。

椅子に座ってる私は必然的に実瑚を見上げる形になる。

『誰のせいでもない。ただ私が彼と付き合う気がなかっただけ。だからフッたの。』

ハッキリそう言うと

「私っ約束しちゃったのに…どうすればいいのよ!?」

取り乱したようにそう言う実瑚…。

『約束?』

「瑠美音と絶対両想いにさせる!って…約束したのに…」

『誰に?』

「谷元君…」

谷元君と約束した?

私と彼をくっつけるって!?

なんて勝手な約束…