小悪魔と仮面舞踏会


『谷元君…いいかな?』

放課後

靴箱に行こうとする彼に声をかけた。

「ん?なに?」

『ココじゃマズいと思うけど…』

周りにいる人たちを見ながら言った。

「分かった」

彼の返事を聞いた私は

『付いて来て』

それだけ言って人気のない場所に足を進めた。

着いた場所は

もう使われていない

旧音楽室前の廊下

前を歩いていた私はクルリと体ごと後ろを向き

彼を正面から見つめて口を開いた

『だいたい見当はついてると思うけど…告白の返事なの。まだしてなかったから。』

「そっか」

『うん。こういうことはハッキリさせた方が良いから。』

「じゃあ…返事聞かせて?」

私は軽く頷いて

『ごめんね?付き合えない』

そうハッキリ言った。

お断り!!

そう言おうと思ってたけど実瑚の好きな人だったから

そんな言い方はさすがに気が引けてやめた。