3時限目の休憩時間。



「高1に戻りたいなぁ……」



1学年の教室を窓越しに眺めながら呟いた前の席の璃口(りぐち)



「高1は無理だけど、高2には戻れるよ」



留年すれば、ね。



「俺、もし高1に戻れたらさ…」



人の話聞いてないし。



英愛(えいあ)と普通に出会って、仲良くなりたいな」



英愛は私。



「俺達、出会い方最悪だったからさ」

「最悪じゃなくて…。
超・最悪だったよ!」



入学式が終わり、1年3組の教室に向かって廊下を歩いていると、いきなり後ろから頭にキスされたのだ。



「英愛の髪型が戸史(こじ)に似てたからさ」



似てたよ!



「だからって!!
男の幼なじみにする行動かよ!!!」

「自分でも分からないんだよね……。
突然したくなって………」

「何?」



人の顔をじっと見て。



「英愛だからキスしたくなったのかも…。
今の俺がそうだからさ」