ううーん……。

 徐々に意識がはっきりしてくると、机に突っ伏して寝てしまっていたことに気がついた。

 あーあ、やっちゃった……。
 今、何時だろ?

 机の端に置いておいたスマホに手を伸ばすと……えぇっ、6時半!?

 がばっと上半身を起こしたら、肩からなにかが滑り落ちた。

 あ、布団……由井くんが掛けてくれたの?

 わたしは、由井くんのロフトの方をそっと見上げた。

 由井くんの第一印象は『怖そうなヤンキー』。
 こんな人と一緒に生活するなんてムリって思ってた。

 でも、由井くんがとっても優しい人だってこと、少し一緒にいるだけでわかっちゃった。

 そんなことを考えていたら、無意識のうちにふふっと笑みがこぼれた。

 なんだか胸の中までポカポカする。
 なんだろ、この気持ち。
 こんなの、知らないよ。