「悪い、すぐ戻る」

「?·····うん」

私に荷物を渡してくれ、待っててと伝えた彼は本当にすぐ戻ってきた
さっきまでは持ってなかったキャリーケースとその上にバッグも置いている


「はいこれ、早く乗ろう」

「新幹線?」

「そう。2枚いっぺんに改札機に通して」

言われるがまま切符を通して彼の後ろを着いていく
電車やバスには乗ったことがあるけど新幹線は初めて


「席に座れねーかも」

「いいよ、私のせいでごめんね拓海」

「気にすんなよ」

「ううん、気にしないなんて無理だよ」

家に来てくれる前に切符を事前に買ってくれてたんだよね
拓海も新幹線になっちゃのは私が寝坊したせいだからで、甘えるなんてできない


教えてくれた値段の倍を払うと渋られちゃった
どうにかこうにか粘って彼を納得させることに成功した私は2人分の料金を彼の手に渡した