「『咲耶の友だちから聞いた。そっち行くから』って届いてたの見たときはびっくりしたんだから。」


そのメッセージはみんなが学校を出発する予定時間よりも後に届いてた


「咲耶がいねーとか楽しむなんてできねーし?何より咲耶の人生初の修学旅行だし、な?」


ほら、行くぞと歩き始めた拓海
私はコロコロキャリーケースを引きながら追いかける


実は彼と一緒にこの道を歩くのはここ最近なかったからなんだか嬉しい
だから無意識に顔が緩みまくってたんだろう


「何にやけてんの」

「拓海が隣にいるって新鮮だなーって」

「あっそ。それより荷物貸せよ」


私の荷物を持ってくれるとなぜか歩みを少し速めた彼
でもその歩みは、私が置いていかれないペース


やっぱり拓海は優しいな~なんて考えているとそのうち駅に到着してしまった


いつもはもっと時間がかかっているはずなのにと腕時計を見るとたいして変わらない時間だった


やっぱり好きな人と過ごしている時間って一瞬で過ぎ去るんだなと改めて実感する