☆
あっという間に一週間が過ぎて、今日は休み。
学校が休みだからといって、勉強をしなくて良いわけではない。課題は案の定たっぷりと出された。
でも、あたしは楓からの参考書やら難しい本やらを与えられて散々見て来ていたからか、目の前の課題をやる事にそこまで億劫にはなっていなかった。
楓様々だ。
一通り課題を終えると、あたしはスマホをみる。
いつも休みの日は楓からどこかへ行く誘いがくるのだが、今日はまだ何も来ていない。
と、言うか、静かだ。
いつもなら、課題はやったのか、早くやれとうるさいくらいにあたしの部屋をうろうろとしているのに、今日はそれがまだない。
むしろそのおかげで、いつもより 課題ははかどった。
楓の計算だろうか?
窓から隣の家の様子を伺うが、 カーテンは開いているものの、天気が良いのに窓を開ける様子もない。
楓が居ない?
あたしは下に降りて行って、遅い朝食を食べ始めた。
「千夜、ちょっとは楓くんを見習って早起きしなさいよ」
「休みなんだからいーじゃん。しかも朝のうちに課題ももう終わったし」
「楓くんが段取りしてくれてるんでしょ? ほんと、感謝してね」
あたしのママは出来のいい楓が大好きだ。
あたし以上に自分の息子のように楓を可愛がっている。まぁ、あたしから見ても楓は小さい頃から言う事ないほどのお利口さんで、悪いことをしたあたしをかばってくれたり、ドジなあたしの失態を何度も助けて来てくれた。
今のあたしがあるのはほんとに楓様々のおかげである。
「楓くん、今日からだって言って朝早くから出かけて行ったけど、大丈夫かしら? 楓くんならどこで何してても心配はないんだけど、うちにいる事負担に思ってなきゃ良いんだけど」
ママがそう言ってあたしの前に座ってコーヒーを一口飲むから、あたしは今の言葉に疑問を持った。
「今日からって、何が?」
あたしが目玉焼きの黄身をトロトロに崩しながら聞くと、ママは驚いたように目を丸くした。
「千夜、聞いてないの?」
「え? だから、何を?」
あたしがハムと一緒にトロトロたまごを口に運ぶと、ママは信じられないと呟きながら、コーヒーのカップを静かにテーブルに置いた。
「楓くん、今日からバイト始めるって、だいぶ前から報告されてたのよ。
いつまでもうちに迷惑かけれないから、高校入学を機にお金貯め始めようかなって。
あたしは気にしなくて良いって言ったんだけど、自立するいいキッカケになりそうだからって、もちろん奈々香も知ってるし。
千夜には一番最初に言ってたんだと思ってた」
あたしは食べるのをストップして、ママを見つめた。
「……知らなかった、楓から何も聞いてない」
あたし、いつもあたしの事で精一杯で、楓の話を聞いたりちゃんと出来てなかった。
昨日も、あたしばかりしゃべっていて、楓の話は何も聞いていないし、よく考えたら、あのラインだって楓が一人で用事があるってどこかに行く事も今までなかったし、何で疑問にも思わなかったんだろう。
「楓、どこでバイトしてるの?」
あたしは急いで牛乳を飲み干すと、ママに聞いた。
「場所までは詳しく聞いてないの。千夜に聞けばいいかと思って。やだ、なんか急に心配になってきちゃった。千夜、楓くんとちゃんと話してね」
「うん、心当たりあたってみる」
あたしは立ち上がると急いで着替えて、本当は頼りたくないんだけど、そこをなんとか堪えて、圭次にラインを送った。
あっという間に一週間が過ぎて、今日は休み。
学校が休みだからといって、勉強をしなくて良いわけではない。課題は案の定たっぷりと出された。
でも、あたしは楓からの参考書やら難しい本やらを与えられて散々見て来ていたからか、目の前の課題をやる事にそこまで億劫にはなっていなかった。
楓様々だ。
一通り課題を終えると、あたしはスマホをみる。
いつも休みの日は楓からどこかへ行く誘いがくるのだが、今日はまだ何も来ていない。
と、言うか、静かだ。
いつもなら、課題はやったのか、早くやれとうるさいくらいにあたしの部屋をうろうろとしているのに、今日はそれがまだない。
むしろそのおかげで、いつもより 課題ははかどった。
楓の計算だろうか?
窓から隣の家の様子を伺うが、 カーテンは開いているものの、天気が良いのに窓を開ける様子もない。
楓が居ない?
あたしは下に降りて行って、遅い朝食を食べ始めた。
「千夜、ちょっとは楓くんを見習って早起きしなさいよ」
「休みなんだからいーじゃん。しかも朝のうちに課題ももう終わったし」
「楓くんが段取りしてくれてるんでしょ? ほんと、感謝してね」
あたしのママは出来のいい楓が大好きだ。
あたし以上に自分の息子のように楓を可愛がっている。まぁ、あたしから見ても楓は小さい頃から言う事ないほどのお利口さんで、悪いことをしたあたしをかばってくれたり、ドジなあたしの失態を何度も助けて来てくれた。
今のあたしがあるのはほんとに楓様々のおかげである。
「楓くん、今日からだって言って朝早くから出かけて行ったけど、大丈夫かしら? 楓くんならどこで何してても心配はないんだけど、うちにいる事負担に思ってなきゃ良いんだけど」
ママがそう言ってあたしの前に座ってコーヒーを一口飲むから、あたしは今の言葉に疑問を持った。
「今日からって、何が?」
あたしが目玉焼きの黄身をトロトロに崩しながら聞くと、ママは驚いたように目を丸くした。
「千夜、聞いてないの?」
「え? だから、何を?」
あたしがハムと一緒にトロトロたまごを口に運ぶと、ママは信じられないと呟きながら、コーヒーのカップを静かにテーブルに置いた。
「楓くん、今日からバイト始めるって、だいぶ前から報告されてたのよ。
いつまでもうちに迷惑かけれないから、高校入学を機にお金貯め始めようかなって。
あたしは気にしなくて良いって言ったんだけど、自立するいいキッカケになりそうだからって、もちろん奈々香も知ってるし。
千夜には一番最初に言ってたんだと思ってた」
あたしは食べるのをストップして、ママを見つめた。
「……知らなかった、楓から何も聞いてない」
あたし、いつもあたしの事で精一杯で、楓の話を聞いたりちゃんと出来てなかった。
昨日も、あたしばかりしゃべっていて、楓の話は何も聞いていないし、よく考えたら、あのラインだって楓が一人で用事があるってどこかに行く事も今までなかったし、何で疑問にも思わなかったんだろう。
「楓、どこでバイトしてるの?」
あたしは急いで牛乳を飲み干すと、ママに聞いた。
「場所までは詳しく聞いてないの。千夜に聞けばいいかと思って。やだ、なんか急に心配になってきちゃった。千夜、楓くんとちゃんと話してね」
「うん、心当たりあたってみる」
あたしは立ち上がると急いで着替えて、本当は頼りたくないんだけど、そこをなんとか堪えて、圭次にラインを送った。