「あっ、リーシア!いた…心配した」

 そう言葉が聞こえ、後ろから抱き着かれた。

 「クエル…急に抱き着かないでください」

 「あっ、悪い…どこ探してもいなかったから…」

 「カイル殿下とミシェルさんは?」

 「別のところ探しに行ってる」

 「そうなんですね…心配をおかけしました」

 すると、クエルはリルのほうを見て、固まった。

 「…お久しぶりです。クエル様、今は魔王様といったほうがいいでしょうか?」

 リルは、クエルに礼をしていた。