「……ま、これからもなんかあったら俺に言ってくれたら聞くよ?」
「はぁ……、うん。まあその時が来たらね」
来るかは分かんないけどね。
それにあなたと話ができる機会もないんですけど……
澄野くんは休み時間、大体女子に囲まれてるから。
そんな話を少ししてから、澄野くんと分かれて教室を出た。
***
校門を出て、帰路につく。
初めての失恋、だけどなぜかすっきりしてる部分もある。
もちろん悲しいに決まってるけど、澄野くんと話して少し落ち着いたものもあるような。
「はぁ……とんでもない一日だったな」
誰もいないところで、一人でそう呟く。
だって、ずっと好きだった人に失恋したと思ったら、まさか学年一チャラいと言われている澄野くんと話すことになったなんて。
怒涛の展開の速さに追いつけてないみたい。
今頃、聖はあの女の子のこととか考えてたりして、笑ってるのかな……
それでいつか……
せっかく考えないでいたのに、気がついたらそのことばかり考えてしまっていて、じんわりと涙が滲む。
……ダメ、ネガティブ禁止!!
せっかく気持ちも落ち着いてたんだから。
もうそのことを考えないように、軽く自分の頬を叩いて家まで走った。


