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「橋本ちゃんのところは喫茶店だよね。なに買うの?」

「えっとー…」


約束の時間になって駅を出発した私たち。

駅の近くに繁華街があって、手芸や小物の店も結構あるからそこに行こうという話になった。


思えば…メモにも必要なものは書いてあるけど、店の種類が結構あって、どんな感じのものを買えばいいのかわからない…っ!


この繁華街はこの街でも大きい方らしくて、コンセプトは違うけどとにかく多すぎる。


一応喫茶店のコンセプトは聞いてきたけど…私、こういう買い出しとか始めてだからなぁ…


「どうしたの?ぼーっとしてるけど」


「え、あ、と。その…」


一人で考え込んでいたら澄野くんに気を使われてしまっていた。


私結構こういうのわからないしセンスもないから、やっぱり別々に来た方が良かったのかな…


そう思ったけど、来てしまったからにはしょうがないので澄野くんにアドバイスをもらうことにした。


「——じゃあ、この店はどう?」


メモを見て、少し考えたあと一つの店を勧めてくれた。


その店は大人っぽ過ぎず、程よくおしゃれなシンプルな雑貨屋。


私たちの少し大人っぽい落ち着ける喫茶店、というコンセプトにほどよく合いそうなデザインだ。