「こんなんでいいのかな…」
小さくボソッと呟きながら約束された駅でまつ私、橋本莉々。
こんなんでいいのか、と悩んでいるものはまさに服。
はっきり言って私はおしゃれ、と言うほど服のセンスは良くないし、そんなに高くない服ばっかりだ。
白い長袖に寒いかもしれないと思って羽織ってきたグレーの上着。
移動とかがメインになるので下はパンツスタイルになっている。
それに、澄野くんおしゃれだったらなんか恥ずかしいし…
そう思いながら5分ほど待っていると、いつもの明るめな声が聞こえた。
「おはよ〜、橋本ちゃん」
「お、おはよう。澄野く…」
澄野くん、と最後まで言おうとしたけど意識が別の方向に飛んでいってしまって目が離せない。
端的に言うと澄野くんの服、おしゃれすぎる…!
シンプルな色のジーンズに落ち着いた配色のシャツや上着。
思わずどこかのモデルさんかと思ったくらい、私服の澄野くんは綺麗でかっこよかった。
澄野くんとここで話してるときも、チラチラって他の視線が感じ取れるくらい澄野くんはみんなに注目を浴びている。
やっぱりすごい人なんだなぁ…