『ちょっと聖!ボタン一個外れてる!』

『え?ああごめん!流石幼なじみこんなんにも気付くとか!』

『はぁ………そんなんじゃ彼女とか一生できないよ!』

『え、ちょっとそれは困る!俺孤独死じゃん!』



………なんて会話してたのが懐かしい。


中学生の頃そんなこともあったっけ。


中学生の時で言えば、傘が一つしかなかったら一緒に入ったりしたり、教科書二人で貸しあってたり。


正直言って、聖も私のこと好きじゃ?とか思ってたけど、結局いうと全部妄想だった。


「はぁ、はぁ………っ」



いつの間にか私はさっきまでいた教室の方に走っていた。



どうしてそんな思わせぶりな態度を取るの?

なんでそんな笑顔で笑うの?

なんで勘違いするようなことを言うの?



なんでなんでなんでなんで。


「なんでよ………っ!」


私はいつの間にか教室の隅に座っていた。


違う、結局は全部、私の勘違い。



もし、あの時もっと女の子っぽく接していれば、もっと一緒に笑い合ってたら。



–––––もしあの時、”好き”って言ってれば。



「………ぅぁ……っ」


あれ、なんだろうこの声。


違う、自分が泣いてるんだ。



あはは………私ってちゃんと泣けるんだ……