「…なるほど〜。でもそれって小学生の話でしょ」


「…そうだけど、なんで」


澄野くん、なんで知ってるんだ…


「だって、小学生だったら真剣に橋本ちゃんのこと女だと見てるやつ少なそうだし」


暗くて表情な見えないけど、決して同情とかの気持ちで言ってるなんてことは絶対ないだろう。


こ、の男は…!


絶対私と同類なんかじゃないっ…!



「…澄野くんは、誰にも本気にならなそう。一生1人だよ」


せめてもの仕返しのつもりでそう呟いた。


もう澄野くんなんか一生独身でいろ…!


そう思っていたら、ふと澄野くんの顔が照らされて現れた。


その表情からは何も読み取れなくて、触ったら壊れそうなガラス玉みたいだった。


…ちょっと言い過ぎちゃった…?


私が少しだけおどおどしていると、こっちを向いていつもみたいにニコッと笑った。


「えー、俺結構好きな子には一途だよ?命かけられちゃうくらい」


言ってる言葉は真面目かもしれないけど、人が人だから本気でそう言ってるかはわからない。



「逆に澄野くんがぞっこんになる人、見てみたいかも」


ふふ、と少し笑った。


こんな人だからこそ恋したらどうなるのか、逆に気になってしまう。