はぁ……疲れた。
と言っても、つまり澄野くんの中で私は付き合ったことのない非モテ女って思われてるってこと?
そう思ったらなんだかカチンときた。
「……別に告白されたことくらいあるけど」
うん、私にだって一応ある。本当だ。
何年前の話だよって感じだけどね…
私がボソッと呟くと澄野くんは何やら反応して「え?」と素っ頓狂な声を漏らした。
「え、何それいつ。何年前、何回、相手は?」
「ちょ、ちょっと待って…!」
一気に聞かれてもわからないから…!
ふぅ、といったん呼吸を落ち着かせてから小さな声でつぶやいた。
「……小さい頃、一回だけ」
…こんなことを澄野くんに言うの、結構恥ずかしいんだけど。
多分彼のことだから告白された回数なんて星の数ほどだろう。
顔がいいならまだしも、それにプラスムードメーカーでいつも明るいから人気は絶えない。
そういえば私に告白してくれた男の子は澄野くんとはほぼ正反対の男の子。
綺麗な顔立ちはしていたけれど、どっちかというとおどおどしていて守ってあげたくなるような子。
今思うと母性が爆発しそうだよ。


