***
「あ、橋本ちゃん、一緒に帰らない?」
「す、澄野くん…」
さっきの集会が終わって、周りが帰ろうとした雰囲気に包まれていた時、澄野くんに声をかけられた。
澄野くんは色んな人に人気だから、そっちと帰るのかと思ってたよ…
てっきり、私はぼっち帰り確定かと。
特に断る理由もない、と思っていたけど…
…澄野くんっていつもなにで帰ってるんだろう。
「えっと…帰る方向とか…」
「ん?多分同じだと思うよ。橋本ちゃんって○○方面でしょ?」
「あ、うん……」
というかなんで知ってるんだ…!
方面が同じだし、もしかしたら家とかが近いのかな……、そう思うようにしとこう。
「んじゃ、行こう。暗くなってきたしさ」
「わ、わかった……」
時計を見ると七時くらいで、もうすぐ完全下校時刻くらい。
私は澄野くんと一緒に帰ることにした。
意外だな…、私みたいな人と一緒に帰るなんて。


