疑問に思って宮野さんのほうを見ると、なにを考えているか全く読み取れない表情をして立っていた。
なんで………、と思っていると周囲から「別にいいんじゃね」「意義なーし」などの声が聞こえてくる。
ちょっと、嘘…………!?
「…じゃあ、橋本できるか?」
「いえっ、私は……」
“できません”と伝えようとしたけど、なにやら周りの視線が痛い。
『アイツがやってくんねーと、俺らに回ってくるかもしれねーんだよな』とか『別に良くない?橋本さん、いつも暇そうだし』みたいな心ない言葉も聞こえて、胸がチクっと痛む。
それに加えて「橋本さん、できないかな…?」って、子犬のような顔で可愛らしい顔立ちをした宮野さんに言われてしまえば、なにも言えなくなってしまう。
えー………、うーん……、しょうがない…
「………やります」
「おおそうか!ありがとうな。みんな橋本に拍手ー!」
パチパチと教室に拍手の音が響き渡る中、私は1人憂鬱な気分でいた。
はぁ……、引き受けてしまったには仕方ない……
こうして、結局はほぼ流されてしまい私がこのクラスの文化祭実行委員になることになってしまったのだ。