「はい。じゃあ、このクラスからは橋本さんに文化祭実行委員をお願いしたいと思います…」


先生の一言で、クラス中から「頑張ってー」などの声援?が聞こえてくる。



………どうしてこうなった。



私は(すまないが)誰かがやってくれるかも、と日本人なら誰でも思うだろうの淡い期待をしていた。


***



「んー、困ったな。誰かがやってくれないと…」


少し経っても全く手が誰からも上がらなく、先生も困り果てていたとき、教室の後ろの方から「先生ー」と手を挙げる人がいた。


「おっ、宮野。やってくれるのか?」


手を挙げたのは、学年でも美人で評判の宮野彩音さん。身長も小さく、茶髪で可愛く巻かれた下ろした髪が特徴的で、まさに守ってあげたくなる女の子だ。


私は喋ったこともないけど…



自分が手を挙げたこともあって、宮野さんがやってくれるのかと思ったら、次の瞬間耳を疑うような発言が聞こえた。


「いえ!こういうのなら、真面目でしっかりまとめてくれそうな橋本さんがいいと思います!」


「…………え?」



宮野さんの声に誰にも聞こえないような音量で漏れた私の声。



というか、ちょっと待って。なんで私が………