「そういえば〜、なんかやけに窓の外見てなかった〜??優等生の莉々が珍しいような」
ギクっ、と体をこわらばせた。
だって美鈴が言ってることが結構的確すぎて…
「それに、確かさっきの時間は6組の男子が校庭でサッカーしてたような気がするけど〜」
うっ……
6組は澄野くんがいるクラス。というか私が言わなくても、美鈴全部わかってんじゃん……!!
「そ、そんなことないからっ」
「へぇ〜!」
そう言ったあと、じーっと嘘を見極めるような顔で私を見つめる美鈴。
とにかく圧が強すぎる…っ!
そんな美鈴の顔に怯えていたら、後ろから低音の声が響いた。
「よっ、なに怖い顔してんの。橋本ちゃ〜ん」
「すっ、澄野くん…!」
なんと、まさかご本人様が登場するとは。
それに、よりにもよって美鈴の前で。
「な、なんでここに…っ!?」
「なんでって……橋本ちゃんも見たでしょ?グラウンド」
あ、そういえば澄野くんのクラスは体育だったっけ…
よく見たら彼は体操服を着ているし、後ろの男子も全員同じクラスっぽそうだ。
私がまずそうな顔をしているのか、澄野くんは「怖い顔〜」とさんざんいじってくる。
本当になんなんだ、この男は……!


