「授業中にぼーっとするな」
「す、すみません…‼︎」
周りからくすくすと聞こえる笑い声。
はぁ…、恥ずかし…。それもよりによって谷野先生の授業で…
少し深呼吸して、またさっきの場所を見てみると、澄野くんはそこにはいなくて男子は全員集合したみたいだ。
そういえばもう授業終わるんだったな…
そう思って、最後まで集中しようと私は谷野先生の言葉に耳を傾けた。
***
「気をつけー礼」
「ありがとうございましたー」
日直の号令で授業が終了して、私は美鈴の席に行った。
はぁ…今日は余計に疲れた…
美鈴の席に行くとペンを持ちながらにやっとした顔を向けていた。
「さっきは災難だったね〜」
「はぁ…、笑い事じゃないよ…」
それに澄野くんが原因で怒られたなんて、美鈴に絶対からかわれるから言いたくない…‼︎
幸い美鈴は校庭のことは気づいていないみたいだから。
「…まあいいや、ちょっと廊下出てくる」
「あっ、私も〜!」
「なんか、デジャヴな気がしてきた…」
そう言ったあと、美鈴も少しツボに入ったのか遅刻しかけたことを思い出して2人で笑った。


