はぁ、とため息をついて別の方向をみると、そこには目立ちやすい明るい髪色をした男子がいた。
…っ、いた。
学年一イケメンと言われるあの澄野くん。
成績も優秀で、スポーツも得意で点を取りまくっているのかな、と思いきや。
…今日は見学なのかな。
木陰で太陽の光が直接当たらないように座っている澄野くんの姿。
体操服はちゃんと着ているから、ただただ忘れ物で見学ってことではなさそう。
風邪とかひいちゃったのかな…
三階とか四階なら木の葉とかに隠れて澄野くんは見えないはずだけど、私たち2年生は大体2階に教室がある。
それにしても、あのサッカーをしてる子たちを見る目…
澄野くんの瞳はなんだか悔しそうで、普段は絶対に見せないような表情。
何があったんだろう……、と思っていたら、ふと澄野くんと目が合った……ような気がした。
彼は私に気づいたのか、ニコっといつものような感じで笑った。
……さっきのは気のせいなのかな。
「…しもと、橋本!!」
「は、はいっ!?」
窓の外を見ていたら、いつのまにか谷野先生が私のことを呼んでいたみたいだ。