やっぱり、美鈴は私の自慢の親友だ… !


私がそう満足そうな雰囲気で窓の外を見ていると、「あっ」と美鈴が声を漏らした。


「やばいよ、莉々…」

「ど、どうしたの…?」


どこか、焦った様子でスマホの画面を見る美鈴。


な、なにか緊急なことでも…


美鈴は「聞いて驚くな」と言っているけど、美鈴が一番焦ってる気がする。


「…チャイムがなるまであと1分」


「………え」



一瞬固まったけれど、すぐにその緊急さに気づいた。


…そうだ、私が少しイラついて結構教室から離れた場所に来ちゃってたんだった…!


「い、急げーーーっ!」


やばいやばい、すっかり忘れてた!


谷野先生、遅刻者にはすっごい厳しいから…っ!


谷野先生とは私と美鈴がいるクラスの担任。


……と、とにかく急がなきゃ!


私と美鈴は思いっきり足音をたてながら、廊下をドタバタと走っていった。



今だけは廊下を走るのを見逃してくださいっ…!