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「えーーっと……それは複雑ね……」

「うん、結構………」


昨日のことを話したということは、もちろん聖にふられたということも話した。


まあ、それは澄野くんと初めてあったこともそんな喜ばしいことではなくて、言ってしまうと失恋しなければ出会わなかったということ。


いいことでも悪いことでもないから複雑なんだよ…


すると、美鈴が「うーん……」と何か考え出した。



「聖くんは………莉々が自分のことが好きって気づかなかったわけでしょ?」


「多分………」


「じゃあ、そこが疑問なのよね」



美鈴が自分の手を口に当てながら考えている。


疑問って、美鈴には何か引っかかってることがあるってこと……?


「疑問って?」


「だって、幼なじみだったからって、なんでわざわざ莉々に言う必要があるの?」


まるで何か裏があるかのように推理する美鈴。


確かに、聖は昔から彼女欲しがってたけど………聖から彼女さんに、「莉々に言いたいんだけど!」って言ったってこと……?



美鈴の言うとおり、何か引っかかるような……



「まあ、あの聖くんのことだし本当のことはわからないけど、新しい恋できるといいね」

「うん、美鈴ありがとう……」



親友だからってこの話を聞かせるのはどうかと思ったけれど、美鈴に話せてよかったな………