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「ちょ、ちょっと莉々!?」

「え……っ?」

「もうここ誰もいないんだけど……」



さっきのまでのことを考えすぎて、無意識に人気のないところまで来ていたよう。


周りには誰もいなくて、シーンとした雰囲気が漂っている。


こんなところまで連れ回してごめんなさい……、美鈴さん……!



私がそうおどおどしていると、美鈴が振り返ってため息を一つこぼした。


「まあいいや………、で。聞かせてもらいましょうか」

「な、なにが………」


美鈴が何か、後ろから圧が見えるような笑顔を見せてきてすごく怖い。


美鈴さん、すごく圧が見えるんですが………



「さて、澄野とはどこで知り合ったの?」



おどおどしている私の肩をつかみながら、ニッコリという効果音がつきそうなほどの笑顔を見せる美鈴。


多分今日の朝から、私と澄野くんが仲良くしているところを疑問に思っているのだろう。


あ、あれを話すのか……、しょうがない……


正直言って、聖のこともあるし、できるだけ話したくなかったけれど。



……私も腹を括ろう。



そう思い、私は昨日からの一連の流れを美鈴に話した。