「はぁ……、ごめんね、橋本ちゃん」

「い、いや別に……」



それより、手を振り払ったことが気になるんですけど……


「良かったの?女の子たち追い出して」


あの澄野くんが女の子たちを追い出すなんて……


私がそう聞くと、澄野くん「んー」と少し考えた後、椅子から立ち上がった。



よくよく考えたら、澄野くんがチャラい?みたいな噂はよく聞くけど、女遊びみたいな物は聞いたことがないような……




「あのさ、橋本ちゃんって俺のこと軽いやつって思ってるでしょ〜?」


「え、まあそうかもしれないけど……」



だってあなたその件で有名だよ。


私が澄野くんのことを知ったのもその噂が最初だし。



「だって澄野くん、よく女の子たちと一緒にいるし……」


「本当は橋本ちゃんだけって言ったらどうする?」



そう言いながら、私の手を握ってくる。



澄野君がいつもとは全然違う真剣な顔でそう言うから、そんなつもりはなくても不意にどきっとしてしまう。



いつもはヘラヘラしてるのに、こんな時はかっこいいよね……


「だけ………って、からかうのやめてよ…!」


それ以上マジモード出されたら温度差でヒートショック起こりそうなので……!


私が目を逸らしたのに澄野くんは満足したのか、口角をあげた。