「ち、ちょっと」
美鈴がそう言いながらこっちにこい、と手招きをしている。
うん、驚く気持ちは本当にわかるよ。
静かに美鈴の方まで歩く。
「あんた、いつから澄野と仲良くなったのよ…!」
「あはは……、まあいろいろあってね…」
私の耳元でコソコソと耳うちをしている美鈴。
流石に昨日のあれは言えないけど…
「ちょっと、二人で内緒の話?」
「澄野は黙って」
「あ、はいっ」
冷たく言い放つ美鈴と、潔く返事する澄野くんがなぜか面白くて、クスッと笑ってしまう。
美鈴は「はぁ……」と軽くため息をついた後も私に尋問を続けるっぽい。
「………まあいいわ。でも、澄野と仲良くしたら大変じゃない?だってあの取り巻きたちが……」
「あ〜!明、いたー!!」
美鈴が何か言いかけたみたいだけど、その声は誰かによってかき消されてしまった。
「うわ、本当に来た」
美鈴はそう言って呆れたように指を指してるし、澄野くんは「やばい」とも言いたげな顔で扉の方向を見ている。
一体何が………
私も澄野くんが見つめている方向を見ると、5人くらいの派手目な女の子たちが澄野くんを見つめている。
明………って、澄野くんの名前だよね……?


