「俺ね、両親を早くに亡くしてるんだ。」
その言葉を聞いた瞬間、喉からヒュッと変な音がなった。

「母親は産まれてすぐ、父親は幼稚園児ぐらいだった。」

話を聞いていくと、お母さんは病弱な人で海くんを産んで早くになくなってしまった。父親は海くんを男手1つで育てていくために今まで以上に仕事も頑張って海くんのためにたくさん時間も作ってくれた。けど、頑張りすぎて体調不良になっちゃって、そのまま帰らぬ人となった。
そこから海くんはおばあちゃん家に住むことになったんだけど、両親が亡くなったことで引きこもるようになって、明るく考えられないようになった。
でも、ある時読んでた本に救われた。

『どれだけ暗い過去があっても、どれだけ忘れられないことがあっても、生きていかなきゃならない。前を向かなきゃならない。自分の人生なんだから、どう生きるかは自分次第だ。』
この言葉に自分の生き方を学んだ。自分が暗く、死を引きずって生きていかないように自分が明るくなればいいんだって。