太陽様にお酒を買ってきてもらい、棟梁のところへお礼に行くと言うと。
「あ、俺。セシルさんがお世話になった人達にあいさつ回りしますよ」
と、言い出した。
・・・別にいいのに。
何をいまさら、亭主ヅラしやがる…とイラッとする。
とりあえず、バニラに太陽様の相手をさせて自分は一人、
門番をしているジョイさんに棟梁の家がどこにあるか尋ねると、
「ああ、向こう側」
と言って。宮殿のほうを指さしたので「えー」と悲鳴をあげた。
「棟梁はああ見えて、貴族だからね」
ニヤニヤと笑うジョイさん。
隣ではマリアちゃんが冷ややかに私を見ている。
「棟梁に用があるなら休憩の時、呼んでこようか?」
長身のジョイさんが見下ろしながら言ったので、黙って首を横に振った。
「そういや、あんた。旦那さん帰って来たんだってな」
マリアちゃんの言葉にビクッと肩を震わせる。
興味なさそうな顔して、何で知っているんだか。
ジョイさんが「まっじでー!? 渦中の旦那さんかあ」と驚いて言った。
カチュー…って言わないでほしい。
「ねえねえ、マヒルちゃんの旦那さんって国王に『これは私の妻なので手を出すな』と怒ったて本当?」
急に「マヒルちゃん」と呼び捨てにしないで…と言いたかったけど、それよりも驚いて何も言えない。
マリアちゃんが「ふうーん」と言った。
「国王相手にそんなこと言えるんだから、すっげー男だよなあ」
「一体、どこまで噂が広まってるんですか?」
やっと出た反撃の言葉に、ジョイさんはマリアちゃんを見た。
「だいたい、突き抜けだよなー。太陽はそれで、今回の戦地で死ぬほどこき使われたって話だし」
「…完全なる公私混同だな」
無表情でマリアちゃんが言うけど、綺麗な顔立ちなので変な感じだった。
「あ、俺。セシルさんがお世話になった人達にあいさつ回りしますよ」
と、言い出した。
・・・別にいいのに。
何をいまさら、亭主ヅラしやがる…とイラッとする。
とりあえず、バニラに太陽様の相手をさせて自分は一人、
門番をしているジョイさんに棟梁の家がどこにあるか尋ねると、
「ああ、向こう側」
と言って。宮殿のほうを指さしたので「えー」と悲鳴をあげた。
「棟梁はああ見えて、貴族だからね」
ニヤニヤと笑うジョイさん。
隣ではマリアちゃんが冷ややかに私を見ている。
「棟梁に用があるなら休憩の時、呼んでこようか?」
長身のジョイさんが見下ろしながら言ったので、黙って首を横に振った。
「そういや、あんた。旦那さん帰って来たんだってな」
マリアちゃんの言葉にビクッと肩を震わせる。
興味なさそうな顔して、何で知っているんだか。
ジョイさんが「まっじでー!? 渦中の旦那さんかあ」と驚いて言った。
カチュー…って言わないでほしい。
「ねえねえ、マヒルちゃんの旦那さんって国王に『これは私の妻なので手を出すな』と怒ったて本当?」
急に「マヒルちゃん」と呼び捨てにしないで…と言いたかったけど、それよりも驚いて何も言えない。
マリアちゃんが「ふうーん」と言った。
「国王相手にそんなこと言えるんだから、すっげー男だよなあ」
「一体、どこまで噂が広まってるんですか?」
やっと出た反撃の言葉に、ジョイさんはマリアちゃんを見た。
「だいたい、突き抜けだよなー。太陽はそれで、今回の戦地で死ぬほどこき使われたって話だし」
「…完全なる公私混同だな」
無表情でマリアちゃんが言うけど、綺麗な顔立ちなので変な感じだった。



