ナズナくんの一言に耐えていた涙が崩壊する。
　こんな涙もろかったっけ？
「僕たちが仕事をさぼってマヒル様の家に行っていたのは事実です。マヒル様に強制的に手伝わされたわけではありません。自分から行ったんです」
　カイくんは、スケッチブックに何かを書いてユキさんに見せている。
「僕たちは、世間が見るように。騎士になれなかった落ちこぼれです。騎士になれない以上、帰ることも許されない。路頭に迷うはずだった僕らをユキ様たちは拾ってくださった。でも、僕たちは可哀想な人間でくくられたくありません」
「本当は、好きなときに休みたいし好きなことをしたい」
「怖くて言えませんでした。自分のやりたいことを言うのは駄目だと思ったから」
　４人が大声で訴えるので、ユキさんはぽかんとしていたけど。
「わかった。意見を聞こう」
　と、４人に座るように言った。