「蘭殿下が太陽夫人にお会いしたいとのこと。ご同行願えますか?」
ドアの前に立っているのは、以前。パーティーで会ったクリス様だった。
センター分けストレート。
襟元まで伸びた茶色い髪の毛。
くっきりとした二重目に白い肌。
身長は175cmくらいといったところか。
ぱっと見、女性ぽい顔立ちで。
パーティーの時の印象は愛想のいい人と感じたけど…
決して、クリス様からは不穏な空気は感じ取れなかったけど。
蘭様に呼び出されることは決して良い事ではないことくらいわかっていた。
「行ってきます」
軽く身支度をして、憂鬱な気分で家を出る。
クリス様にエスコートされながら、馬車に乗り込むと。
馬車は勢いよく走りだした。
目の前に座るクリス様はじっと私の顔を見る。
海外の人間が珍しいのは、わかるけど。
どうして皆、じろじろと私の顔を眺めるのだろう?
「あの、私の顔になにかついてます?」
手を頬に触れる仕草をすると。
クリス様は、笑って「いや、ごめん」と言った。
白い歯がちらりと見える。
改めて見ると、クリス様は制服に喰われていない。
今まで出会った人物の中で一番、制服が似合っている。
パーティーのときはスーツ姿だったけど。
制服姿、カッコイイかも。
「あれ? エンブレムの色…白なんですね」
思わず声に出してしまって、失礼だったかな? と思ったけど。
クリス様は「ああ」と胸元のエンブレムを見た。
私が今まで目にしたエンブレムは二種類。
赤色と紺色だ。
赤色は太陽様やローズ様、メグミ様が身に着けていた色。
紺色は、かつて世話になった緑目の男とジャック様が身に着けていた色。
白いエンブレムは初めてだ。
「赤色は肉体班。紺色は頭脳班。俺は、どっちにもついてないから。白ってわけ」
「…なるほど」
機密情報かもしれない内容をペラペラと話すクリス様。
意外とお喋りなんだろうか。
クリス様は外を眺める。
「中立である俺の立場からしても、君の存在は凄いって思う」
「すごい?」
クリス様は再びこっちを見る。
瞳に吸い込まれそうになる。
じっとこっちを見て。
「その美貌でローズが取り乱したんだから、相当なもんだよ」
クリス様は何故かウインクしてきた。
…国王が取り乱す?
意味がわからない。
ドアの前に立っているのは、以前。パーティーで会ったクリス様だった。
センター分けストレート。
襟元まで伸びた茶色い髪の毛。
くっきりとした二重目に白い肌。
身長は175cmくらいといったところか。
ぱっと見、女性ぽい顔立ちで。
パーティーの時の印象は愛想のいい人と感じたけど…
決して、クリス様からは不穏な空気は感じ取れなかったけど。
蘭様に呼び出されることは決して良い事ではないことくらいわかっていた。
「行ってきます」
軽く身支度をして、憂鬱な気分で家を出る。
クリス様にエスコートされながら、馬車に乗り込むと。
馬車は勢いよく走りだした。
目の前に座るクリス様はじっと私の顔を見る。
海外の人間が珍しいのは、わかるけど。
どうして皆、じろじろと私の顔を眺めるのだろう?
「あの、私の顔になにかついてます?」
手を頬に触れる仕草をすると。
クリス様は、笑って「いや、ごめん」と言った。
白い歯がちらりと見える。
改めて見ると、クリス様は制服に喰われていない。
今まで出会った人物の中で一番、制服が似合っている。
パーティーのときはスーツ姿だったけど。
制服姿、カッコイイかも。
「あれ? エンブレムの色…白なんですね」
思わず声に出してしまって、失礼だったかな? と思ったけど。
クリス様は「ああ」と胸元のエンブレムを見た。
私が今まで目にしたエンブレムは二種類。
赤色と紺色だ。
赤色は太陽様やローズ様、メグミ様が身に着けていた色。
紺色は、かつて世話になった緑目の男とジャック様が身に着けていた色。
白いエンブレムは初めてだ。
「赤色は肉体班。紺色は頭脳班。俺は、どっちにもついてないから。白ってわけ」
「…なるほど」
機密情報かもしれない内容をペラペラと話すクリス様。
意外とお喋りなんだろうか。
クリス様は外を眺める。
「中立である俺の立場からしても、君の存在は凄いって思う」
「すごい?」
クリス様は再びこっちを見る。
瞳に吸い込まれそうになる。
じっとこっちを見て。
「その美貌でローズが取り乱したんだから、相当なもんだよ」
クリス様は何故かウインクしてきた。
…国王が取り乱す?
意味がわからない。