身長2メートルはあるんじゃないかと思うくらいの背の高さに。
 スキンヘッドにサングラスをかけているのがメグミさんだ。
 だけど、目の前に立っているのはスキンヘッドで背は高いけど。
 サングラスではなく、目のあたりをぐるぐると包帯が巻かれてある。
「朝食までの時間は誰も部屋から出ないようにと注意したはずだが…」
 まるで、初対面のような口ぶりで言われたので、ショックを受けると同時に。
 もしかして、また不審者扱いされているのでは…と哀しくなる。
「メグミさん…ですよね?」
 見上げながら言うと、「うっ」という声が振ってきた。
 目を包帯で覆っているのだから、私のことは見えないのだろう。
 だからって、不審者扱いしないでほしい。
「何故、私の名前を知っているのです?」
 低い声でメグミさんが言うと、急に私の肩を掴んできた。
 なんで、親しくもない人に肩を掴まれるのだろうと、メグミさんを睨む。

「おいっ、メグミ。客人に失礼なことをするな」

 バシッとメグミさんの掌を叩いたのは、ローズ様だった。
 いつの間に現れたのか。
 気配なくいきなりローズ様が現れたので、「ひゃっ」と思わず悲鳴をあげてしまう。
「メグミは引っ込んでろ」
 そう言うと、ローズ様は私の手を掴んでずんずんと歩いて行く。