夕方になって、身支度を終えると。
パーティー会場の前で相手と待ち合わせをして。
会場入りする。
会場の前で待っていた太陽様は酷く疲れた表情をしていた。
「大丈夫ですか、太陽様」
目の下の隈が酷い。
「大丈夫、大丈夫」
と言いながら、太陽様は軽くよろけた。
会場前にいる受付係に名前を伝えて入場すると既に何人かのカップルが立って前を向いている。
パーティー会場とは言いながら、中は完全に学校の体育館のような感じだ。
木製の床。舞台があって、舞台の上には2人の男女が椅子に座っている。
一人は騎士団の制服を着た黒髪の男性、もう一人は真っ赤なドレスを着た可愛らしい女性。
2人とも20代真ん中ぐらいだろうか?
偉い人だというのがすぐに見てわかる。
「太陽様、あの舞台に座っているのは王族の方ですか?」
こっそりと太陽様に訊くと、太陽様は「ちがうちがう」と手をぶんぶんと横に振った。
「男性の方が、クリス様。王族ではないけど、貴族で。国王のよき理解者」
良き理解者…という言葉に「うん?」と首を傾げる。
「女性のほうは、確か…サクラ様だったかなあ。クリス様の婚約者」
「へえ…」
こういうところに、国王は来ないのか…と少しだけ残念に思った。
まもなくして、司会者らしき人物が前へ出てきて大声を出す。
ああ、この国、マイクがないから大声出すしかないんだよねえ~
「これより懇親会を始めます。まずは、クリス様、サクラ様へ一組ずつご挨拶をお願いいたします」
会場で散らばっていた人達が舞台の方へ向かって列を作る。
見ていると、年齢層はどっちかといえば自分よりも少し高めだと思った。
私や太陽様のように若い人は少ないのかもしれない。
並んでいるとすぐに、順番が回ってきて。
私と太陽様はクリス様達の前で頭を下げた。
「クリス様、サクラ様。太陽とその妻にございます」
私の名前は名乗らないのか…と太陽様を横目で見る。
クリス様は私を見ると「おっ」と驚いた顔をする。
やっぱり、私のような外国の人間は珍しいらしい。
サクラ様は手に持っていた扇子をパタパタ仰ぎながら「ふうん」と言った。
「太陽、このたびはご苦労さん。結婚していたの初耳だよ」
「はっ」
後ろがつっかえているので、太陽様は返事をして、それきり舞台を降りる。
参加者全員の挨拶が終了すると、歓談の時間となった。
食事の用意がされ、軽食をつまみながらお喋りを楽しむ。
こういうパーティーは、ピアノを弾いているほうが性に合っているのになあと口を尖らせる。
オーケストラの集団を見て羨ましく思った。
「ちょっと、挨拶してくる」
と言って、私を置いて太陽様はどこかへと消えてしまった。
せっかく、女性は制服を着ているとはいえ、結局のところ私は目立つ。
このパーティーで目立っても、何も良いことはない。
端っこに用意されている料理の所へ行って。適当にお皿に乗せていると、
「ちょっと、そこのあなた」
ビクッと肩を震わせ振り返ると、目の前にいたのはサクラ様だった。
サクラ様は怖い顔でこっちに近づいてくる。
「な、ななななんでしょう」
あまりの迫力に固まると、
「もしかして、スカジオン人?」
サクラ様の顔が満面の笑みになった。
パーティー会場の前で相手と待ち合わせをして。
会場入りする。
会場の前で待っていた太陽様は酷く疲れた表情をしていた。
「大丈夫ですか、太陽様」
目の下の隈が酷い。
「大丈夫、大丈夫」
と言いながら、太陽様は軽くよろけた。
会場前にいる受付係に名前を伝えて入場すると既に何人かのカップルが立って前を向いている。
パーティー会場とは言いながら、中は完全に学校の体育館のような感じだ。
木製の床。舞台があって、舞台の上には2人の男女が椅子に座っている。
一人は騎士団の制服を着た黒髪の男性、もう一人は真っ赤なドレスを着た可愛らしい女性。
2人とも20代真ん中ぐらいだろうか?
偉い人だというのがすぐに見てわかる。
「太陽様、あの舞台に座っているのは王族の方ですか?」
こっそりと太陽様に訊くと、太陽様は「ちがうちがう」と手をぶんぶんと横に振った。
「男性の方が、クリス様。王族ではないけど、貴族で。国王のよき理解者」
良き理解者…という言葉に「うん?」と首を傾げる。
「女性のほうは、確か…サクラ様だったかなあ。クリス様の婚約者」
「へえ…」
こういうところに、国王は来ないのか…と少しだけ残念に思った。
まもなくして、司会者らしき人物が前へ出てきて大声を出す。
ああ、この国、マイクがないから大声出すしかないんだよねえ~
「これより懇親会を始めます。まずは、クリス様、サクラ様へ一組ずつご挨拶をお願いいたします」
会場で散らばっていた人達が舞台の方へ向かって列を作る。
見ていると、年齢層はどっちかといえば自分よりも少し高めだと思った。
私や太陽様のように若い人は少ないのかもしれない。
並んでいるとすぐに、順番が回ってきて。
私と太陽様はクリス様達の前で頭を下げた。
「クリス様、サクラ様。太陽とその妻にございます」
私の名前は名乗らないのか…と太陽様を横目で見る。
クリス様は私を見ると「おっ」と驚いた顔をする。
やっぱり、私のような外国の人間は珍しいらしい。
サクラ様は手に持っていた扇子をパタパタ仰ぎながら「ふうん」と言った。
「太陽、このたびはご苦労さん。結婚していたの初耳だよ」
「はっ」
後ろがつっかえているので、太陽様は返事をして、それきり舞台を降りる。
参加者全員の挨拶が終了すると、歓談の時間となった。
食事の用意がされ、軽食をつまみながらお喋りを楽しむ。
こういうパーティーは、ピアノを弾いているほうが性に合っているのになあと口を尖らせる。
オーケストラの集団を見て羨ましく思った。
「ちょっと、挨拶してくる」
と言って、私を置いて太陽様はどこかへと消えてしまった。
せっかく、女性は制服を着ているとはいえ、結局のところ私は目立つ。
このパーティーで目立っても、何も良いことはない。
端っこに用意されている料理の所へ行って。適当にお皿に乗せていると、
「ちょっと、そこのあなた」
ビクッと肩を震わせ振り返ると、目の前にいたのはサクラ様だった。
サクラ様は怖い顔でこっちに近づいてくる。
「な、ななななんでしょう」
あまりの迫力に固まると、
「もしかして、スカジオン人?」
サクラ様の顔が満面の笑みになった。