「あの、私も手伝いますよ」

加奈子たちのところに、３０才ぐらいの女性が声をかけてきた。

「ありがとうございます。えっと…親族の方ですか？」

加奈子の問いに、彼女は少し気まずそうに、

「私、北海道在住の、お二人の従姉妹の御厨ゆきといいます…両親や妹が来られないので、私が代表で来たんです」

「あぁ！稚内に親戚が居るって聞いたことあります！スミマセン、面識がなかったから、わからなくて…」

「ごめんなさいね、わざわざ遠路遙々いらしたのに、妹が失礼なことを聞いて」

しかし、そう言う律子も、実はゆきを見た時、一体誰なのかわかっていなかった。

加奈子たちには、親戚が多い。

しかし、数だけは多くても普段の交流がない為、いとこなんて他人も同然である。