助けてと言えなくて


「わかった。ありがとう」

少し何も喋らない時間が流れて、ふと思い出す。

「そういえば山本はなんで保健室に来たの?」

「あぁ。今日なんか頭痛くて…。
 さっきまで寝させてもらってたんだよね」

「そうなんだ。今は大丈夫なの?」

「うん。だいぶ楽になった」

「よかった。あ、座ってていいよ」

頭痛かったのに、私のこと心配して今まで

ずっと立ってたんだよな…。

ほんと、優しいな。

「にしても派手にこけたよね」

「…え?」

それは……

ガラッ

「ごめんね〜。お待たせ……あら?
 佐倉さん?」

ドアが開く音とともに走ってきたのか

少し息が切れている吉田先生。