「大丈夫ですよ!歩けますから」

そう笑うと先生が「気をつけてね」と声をかけて戻っていった。

歩くと思ったよりズキズキと痛む足を少し

引きずりながら坂を登った。





「失礼しますー…」

緊張しながらノックをしてドアを開けたけど、

中には誰もいなかった。

「…なんで?」

先生がいなかったら外出中の札が出てる

はずなんだけどな…

「日菜?」

「…山本!」

ベッドの上に、加藤と同じく小学生の頃から

知り合いの山本(ヤマモト)がいた。

加藤と凄く仲がよくて、大人しいけど

凄く優しくて憧れの人でもある。