6月のお昼前の4時間目。
校庭に照りつける日差しに、頭が少しくらくらする。
「暑いねー」
「こんな時期に体力テストとかやめほしいよね」
そんな会話を聞きながらストレッチを終えると、
立川がこちらを見ながら近くの男子と話している。
何なんだろう……?
嫌なことじゃありませんようにーー……
「じゃあ行くよ。ピッ」
笛の合図とともに走り出す。
男子1500メートル、女子1000メートルのため、
男子の方が早く走り出している。
「日菜ちゃん。これ点数つくやつだよね?」
走りながら菜那ちゃんが声をかけてくる。
「うん、そうだよ!」
そう返すと菜那ちゃんは申し訳なさそうな顔をした。
「ごめん、日菜ちゃん。私、先行くかも」
私の足の遅さは、小学生並みだと前に伝えていたからか
言いづらそうにそう言う菜那ちゃん。
思わず首をブンブンと横に振る。



