「うわ、来たよ」

下駄箱についてそうそう、そんな声と

笑い声が聞こえて顔を上げると同じクラスの

立川(タチカワ)がいる。

その少し後ろに吉崎(ヨシザキ)もいた。

「相変わらず地味よな」

ニヤニヤと立川が言うと吉崎も笑って

同調した。

「地味すぎて名前分からんし」

「それな!」

またうるさい笑い声が起きて、私は「またか」

と思いながら通り過ぎる。

「笑っとるよ」

立川の言葉にずっこけそうになる。

困ってる時や気まずい時につい微笑んで

しまう癖が出ているのだろう。

こんな状況で笑うわけないでしょ。

そう言いたくなったがますますひどくなりそうなので抑えた。

まぁ、怒られなかっただけいいか。

階段を上がっていると後ろから肩を叩かれた。