保健室に着くと消毒液の匂いがして、もう戦いが終わったんだと自覚して安心した。

「もうあいつから逃げる必要ないんだ私達」

ベットのカーテンを開けると、保健室の先生が書類を見ながら座っていた。

「先生!」

初めて人に出会えた喜びから、身体が震えた。

「人体模型に追われてて凄く怖かった〜。先生に会えて良かった」

みなみは先生に抱きついて泣く。

「まぁ、大変だったわね。大丈夫?」

頭をそっと撫でてくれて、安心した。星輝も身体を揉んで戦いの疲れを癒した。

「元気そうで本当に良かった。次何かあったら先生にも報告して」

「はい!」

そう言って、二人は保健室の椅子に座った。安堵で力が抜ける。

「先生、星輝が怪我したから見てくれる?痛そうなの」

「それは大変ね、見せてくる?」

「擦り傷程度だから大丈夫だよ、先生」

擦り傷は皮膚が少し切れたぐらいで、血はそんなに出ていなかった。

「痛そう、、、すぐ直してあげるね」

消毒液を取り出して、擦り傷につけて優しく触れる。消毒液が染みて星輝は痛いと呟いた。

「はい、もう平気よ。絆創膏貼ってあげる」

先生は絆創膏を取り出して、星輝の腕に貼り付けた。

「大丈夫?!星輝。私の持ってる絆創膏も貼ってあげる」

「あ、うん、有り難う」

ポーチをそっと取り出して、絆創膏を星輝の腕の貼ってある場所に二重につけた。もう全然平気である。

「なんか安心したら疲れたね」

「ちょっと休もう」

椅子を深々と座って、膝にもたれかかった。頬を手でついて、ため息をつく。