君と私の秘密

俺は塩野零斗。

ま、本当の名ではないがな。

俺に名前など存在しない。

この世界で、人間の世界で生きるために付けられた名だ。

ん?どういうことかって?

俺は……人間じゃない。

魔界で生きる吸血鬼だ。

人間たちが言う、化け物や怪物ってとこだな。

そんな俺がなんで人間界に居るかっていとだな…。

ルールを破っちまった罰だ。

魔界にいる吸血鬼にはルールがいくつかある。

男の血を吸ってはいけない。

日の元へ出てはいけない。

などがある。

そのうちの1つの人に見つかってはいけいというルール。

俺はこれを見事に破っちまったってわけ。

血を吸ってるとこを人間に見られちまった。

結果、罰として人間界で数ヶ月過ごすことになったってわけ。

まぁ、まだこれだけで済んで良かったよ。

吸血鬼のルールの中に破ると消されるという恐ろしいものが1つある。

それは、人間と恋に落ちる。というものだ。

人間に恋した吸血鬼は生きてはいられない。

魔王様に消されるから。

まじで恐ろしいルールだぜ。ほんと。

ま、てなことがあって今日から高校生として、人間界で暮らす。

「転校生の塩野零斗くんだ。えっと席は…お、葵葉の横空いてるからそこな。」

葵葉…あいつか。

にしても、うるさい奴ら。

俺が席に着く間も着いた後も、なんか知らねぇーけど、女どもがギャーギャー騒いでる。

唯一静かなのは、俺の隣のこいつだけ。

えーと、葵葉?だっけ?

一応隣だし一言くらい声かけとくか。

「よろしく」

「よ、よろしくお願いします。」

いや、なんで敬語なわけ?

変なやつ。

さーて、人間が通う学校とやらはどんなものか。