「私はね、あなたのことをとても可愛いと思っていた。……ううん、今だってその気持ちは変わらないわ。だけど、いくら可愛いからといって自分の意のままにしていいはずがない。あなたにはあなたの気持ちがあって、あなたの人生がある。そんな単純なことが、私にはわからなかったの」
「姉さま……」
「以前あなたが言ったとおり。私はきっと、自分では叶えられない理想をあなたに託していたのよね」
ラルカのことを見つめつつ、メイシュは穏やかに目を細めた。
『好きなのでしょう? 愛らしいドレスが。美しい宝石が。鮮やかな色合のお化粧が。フリルやレース、リボンや刺繍が。
似合う、似合わないだとか、年齢や性格に関係なく、ご自分で好きなものをお召になれば良いではございませんか。
人形で遊ぶより、自分自身と向き合うほうがずっと楽しい――――そちらの方がずっとずっと幸せに生きられますわ。
今からでも遅くはありません。姉さまも、もっときちんと、自分の想いと向き合ってください』
一年半前、ラルカがメイシュに贈った言葉が今も彼女の中で生き続けている――この部屋を見たとき、ラルカはそう直感していた。
それに加え、メイシュ自身の口から彼女の想いを聞けたことで、その直感は正しかったと確信している。
「姉さま……」
「以前あなたが言ったとおり。私はきっと、自分では叶えられない理想をあなたに託していたのよね」
ラルカのことを見つめつつ、メイシュは穏やかに目を細めた。
『好きなのでしょう? 愛らしいドレスが。美しい宝石が。鮮やかな色合のお化粧が。フリルやレース、リボンや刺繍が。
似合う、似合わないだとか、年齢や性格に関係なく、ご自分で好きなものをお召になれば良いではございませんか。
人形で遊ぶより、自分自身と向き合うほうがずっと楽しい――――そちらの方がずっとずっと幸せに生きられますわ。
今からでも遅くはありません。姉さまも、もっときちんと、自分の想いと向き合ってください』
一年半前、ラルカがメイシュに贈った言葉が今も彼女の中で生き続けている――この部屋を見たとき、ラルカはそう直感していた。
それに加え、メイシュ自身の口から彼女の想いを聞けたことで、その直感は正しかったと確信している。



