秋のある晴れた朝のこと。
 ラルカはベッドから起き上がり、グッと大きく伸びをする。


(よしっ!)


 今日は待ちに待った子供たちのためのチャリティーイベントの日だ。
 天気は快晴。
 気温も程よく、とても過ごしやすそうだ。


 今日のためにラルカもエルミラも、それからブラントたちも、必死に準備を進めてきた。


(どうか、イベントが成功しますように)


 心の底から祈りつつ、ラルカはブラントと共に屋敷を出る。


 城に着くと、とても懐かしい顔ぶれが揃っていた。

 ラプルペ邸――――王都の屋敷に置いてきたラルカの侍女たちである。


 彼女たちは謂わば美の精鋭部隊であり、今日のイベントに最適な人材だ。着付けも化粧もお茶の子さいさい。せっかくの才能と技能を有効活用しない手はない。
 だからラルカはブラントにも支援をお願いし、こうして彼女たちを呼び寄せることにしたのだ。