ブラントの解説に、ラルカは大きく息を呑む。それから彼女は瞳をキラキラと輝かせながら、満面の笑みを浮かべた。
 

「ブラントさま! それって、とても素敵だと思います! もしも実現したら、男の子たちにもたくさん喜んでいただけます! 絶対に喜んでいただけますわ!」


 胸がトクン、トクンと大きく高鳴る。誰かの提案に、こんな風に興奮したのは初めてだ。ラルカは尊敬の念を込めて、ブラントを見つめる。


「ありがとう、ラルカ。そう言っていただけて、とても嬉しいです。
とはいえ、僕の案を採用するためには、幾つか課題があります」

「課題、ですか?」

「ええ。会場の広さや警備体制の確保に加え、事業への理解を促しつつ、各署への根回しを行うといったことが必要になると思います。一般人に怪我をさせるわけにはいきませんし、従事する騎士たちの配置方法の検討や、事前準備も重要になるでしょう。それ以外にも、文官を含め、たくさんの人を巻き込むことになりますから」

「……そっか。そうですわよね」