「ラルカのドレスを?」

「はい! 子供たちのために役立てたいと思いまして」


 その日の夜、ブラントと夕食を共にしながら、ラルカは自身の建てた計画を打ち明けた。
 ブラントは時折相槌を打ちながら、ニコニコと話を聞いてくれる。


「それは良いですね。素晴らしい案だと思います! 子供たちも喜んでくれそうですし、きっと成功しますよ」

「本当ですか⁉ ブラントさまにそう言っていただけると、なんだか自信が湧いてきますわ」


 実際のところ、ブラントがどんな風に考えているのか分からないが、彼がラルカの提案を否定しなかったこと、褒めてくれたことがラルカは嬉しくてたまらない。


(だってこれは、ブラントさまが居てくださったからこそ浮かんできた案ですもの)


 はにかむように笑いつつ、ラルカはそっと頬を染める。何だかとても照れくさかった。


「貴女のドレスを取り寄せるために必要な領地や使用人たちとのやりとりは、僕が担いましょう。ラルカは何の心配も要りません。全て僕に任せてください!」


 ブラントはそう口にして、ドンと胸を叩く。ラルカは思わず目を瞠った。