「良いわね、それ! 是非採用しましょう! どうせなら、ドレスの種類は豊富な方が良いわね。わたくしの幼い頃のドレスも貸し出すわ」

「……! そうしていただけると、すごく嬉しいです。ありがとうございます、エルミラさま!」


 エルミラがドレスを貸し出してくれるというならありがたい。ラルカは大きく頭を下げた。


「ねえ、有料で化粧をサービスするっていうオプションも準備したらどうかしら? イベントの成果指標として資金集めは重要だし、折角綺麗なドレスを着るのだもの。顔だって美しくしたい――――美のプロフェッショナルたちの腕を味わってみたいと思う人も多いんじゃない? ねぇ、貴女たちもどう思う?」


 エルミラはそう言って、己の侍女たちを振り返る。
 彼女たちは一様に、瞳をキラキラと輝かせた。


「そのお話、わたし達も参加して良いんですか⁉」

「もちろんよ。ラルカの建てた計画を成功させるためには、貴女達の意見や働きが重要になるわ。一緒に考えてくれる? 当日も、手伝ってちょうだい」

「もちろんですわ!」


 普段と違った役目を与えられたことで、侍女たちはとても嬉しそうだった。彼女たちもきっと、もっとエルミラの力になりたいと思っていたのだろう。活き活きとした侍女たちの姿に、何だかラルカまで嬉しくなってしまう。


(よしっ!)


 ラルカは気合を入れ直し、机に向かう。これまで以上に、仕事への意欲が高まっているのを感じていた。