寂しいのは大家さんだけじゃない
レーニャがいなくなって1ヶ月
俺の生活はほぼ元に戻った
学校帰りのガソリンスタンドのバイト
帰ったら寒いアパートで
ひとりカップラーメンを食べる
「さむー…あちっ…
どっちだよ!ヤケドしたわ」
誰も笑う人もいない
レーニャがいないことには
まだ慣れない
レーニャ、元気かな?
「クシュン!あー、さむー…」
レーニャ、風邪ひいてない?
もぉレーニャはここにいないのに
俺の中にはまだレーニャがいて
頭の中が空くとレーニャのことを考えてしまう
そこに座っていつも笑ってたのに…
あのベッドで一緒に寝てたのに…
「ユーヤ!」ってたまに耳鳴りさえする
俺、好きだったな…レーニャのこと
あの時
躱されたキスがレーニャの答えだった
うん、だから
あのまま一緒にいても何もなかった
よかったんだ
レーニャがここからいなくなって
よかったんだ
レーニャ本当は
ここにいたくなかったのかもしれない
だから
帰ったんだ
抵抗することもなく
サヨナラもなく
朝起きたらいなかった
よかったね、レーニャ
自分の居場所がわかって



