「お嬢さんを俺にください!」


「ユーヤ…苦しい…
ユーヤ……もぉ……ユーヤ…」



「…ん…?」



「ユーヤ、苦しいよ
離して!」



「ん…」



そーだ…昨日…

レーニャを怒らせて

不安になって

レーニャを抱きしめて



そのまま寝てしまった



「あ…ごめん…
寝相悪くて…」



寝相のせいにした



俺の腕からレーニャが逃げた



レーニャ嫌だったか

ごめん



レーニャの腕にあったアザを思い出した

俺も同じことしてる罪悪感



「レーニャ…ごめん…」



「なにが?」



更に怒らせた?



「いろいろ…今のも…

昨日も…

なんか、ごめん」



「ユーヤ、怖い夢みたの?」



「や…」



レーニャの抱き心地がよくて
ぐっすり寝てた



「怖い夢みたなら、仕方ないよ」



「え…うん…みたかも…」



みたことにしよう

レーニャ許してくれそう



「もぉ大丈夫?」



大丈夫じゃないって言ったら
また抱きしめてもらえるかも…

なんて脳裏を過ぎったけど

素直なレーニャに嘘をついて
更に騙したらダメだ



「うん…大丈夫、ありがと

レーニャ、一緒にクッキー食べよ」



「はー…」



レーニャの溜息が聞こえた

たま怒らせた?



「ユーヤ、何にもわかってないね!
クッキーは一緒に食べない」



「なんで?」



「ユーヤが女心ぜんぜんわかってないから…」



「どんなところ?」



「じゃあ、言うけど…
私もユーヤのギター聴きたい
なのにユーヤ、私にはダメ!って言うでしょ
だからユーヤのファンに嫉妬する!」



「え…そんなこと?」



「他にもいろいろ」



「いろいろって?」



「教えない!」



「じゃあ、次のバイトの時、聴きに来てよ
帰りは一緒に帰るから待ってて」



「いいの?」



「うん」



「うん、じゃあ行く」



レーニャの「うん」の言い方が
凄く嬉しそうだった



可愛い♡



「じゃあ、一緒にクッキー食べよ」



「食べない!」