放課後が待ち遠しかった
そりゃ、彼女欲しいけど
そりゃ、しばらくいないけど
それより今は
「ただいまー」
「ユーヤ、おかえりなさい」
レーニャ
レーニャはまた窓際のドレスを見てた気がする
レーニャの表情を見てなんとなくそう思った
「ん?なんかいい匂いする」
なんか美味しそうな匂い
「あ!おでんあるよ!」
「え?おでん?コンビニ?
レーニャが作ったの?」
「んーん…大家さん」
「え!大家さん来たの?」
「ユーヤが野菜もらえるって言ってたから
外のダンボールのぞいてたの
そしたら大家さんが来て…」
大家さんにレーニャのこと言ってねーや
「なんか聞かれた?」
「聞かれたけど…」
「なに?」
大家さんいい人だけと
結構しつこいから
「ユーヤのいとこって言ったら
目元が似てるとか言われたよ
似てるわけないのにね…ハハハ…」
ばあちゃんは
若い子はみんな同じ顔に見えてるらしい
「なんだ…それだけ?」
「うん、それだけだけど
嘘ついて悪かったな…って
後から思った
大家さんいい人だったから…」
でも俺とレーニャの関係って…
「や、いとこでいいよ」
いろいろややこしくなりそうだから
「あ!それでね
一緒におでん作ったの!
カップラーメンばっかりじゃダメ!って
大家さん心配してたよ」
「大家さんにそんな話したの?」
「うん、でも
カップラーメンあんなに美味しいのにね
大家さんも食べたことないのかな?
明日は一緒に豚汁作る約束したの」
明日もレーニャいるんだ
「美味そうだね、おでん」
鍋のフタを開けたら湯気が上がった
大家さんは
たまにご飯食べに来なって誘ってくれるけど
俺は一度も行ったことない
レーニャは人懐っこくて
誰にでもすぐに可愛がられる
きっと俺だけじゃなくて
誰にでもこんなふうに笑って
無意識に人の心をつかむ
「ユーヤは今日学校どーだった?」
制服から部屋着に着替える俺の近くで
「ん…別に…」
「楽しかった?」
「ん…別に…」
戯れるみたいに聞いてくるレーニャ
無意識だろうね
「楽しくなかったの?」
「ん…早く帰りたかった」
「ユーヤ…」
「ん…?」
俺をのぞき込むその仕草も
無意識だろうね
「ユーヤ、学校でイジメられてるの?」
なんでだよ
「イジメられてない」
俺の気持ちなんて
ぜんぜんわからないだろ
今日なんで
早く帰ってきたかったか
今日ずっと
心臓が変だった
今日ずっと…
ずっとレーニャのこと考えてた



