シャンプーして黒髪に戻った
「ユーヤ黒い!」
「さむ!」
「ストーブで乾かしなよ」
「うん」
ストーブの前に頭を出したら
レーニャの手が伸びた
「レーニャ乾かしてくれるの?」
「うん
黒も好き」
「え?」
「ユーヤ、黒も似合うよ」
「そお?」
待って
照れるじゃん
髪で顔が隠れてて好都合だった
「ユーヤの髪、サラサラ」
レーニャの手首のアザがチラチラ視界に入る
「レーニャ…」
「ん?」
「や…」
やっぱり聞けない
「私が早く帰らないかって思ってる?」
「そんなこと思ってないよ!」
それはホントに思ってない
「じゃあ、まだいてもいい?」
「うん、いいよ
明日は俺たぶん学校行くから…
でも、いてもいいよ」
「ハハ…たぶんてなに?」
レーニャいるならまた休みたいのが本音
「ユーヤ、学生なんだ」
「うん、高2」
レーニャは?って聞きたかったけど
やめた
名前も聞かれたくなさそうだったし
「昨日タバコの匂いした気がしたから
大人の人なのかと思った」
その考えが可愛い
「バイトの帰りだったからね
大人の人じゃなくてもタバコは吸えるよ
俺はあまり好きじゃないけど…」
「へー…
私は吸ったことないけど
タバコの匂いは嫌いじゃない」
別に俺の匂いが好きとは言ってないけど
「へー…」
返しに困る
「ユーヤの家族は?
ここにいないの?」
「うん、親と喧嘩して家出て
ひとりでこのアパート住んでるんだ」
「すごいね
ひとりでなんて、私は無理かも…」
「レーニャは家族と仲いいからだろ
やってみると意外とできちゃうけど…」
できてるのかわからないけど
一応生きてる
料理できなくてもコンビニあるし
洗濯も仕方なくやってるけど
レーニャにいいとこ見せようとしてる、俺
「ユーヤ、髪乾いたよ」
オイ!無視かよ
「ありがと」
「ん…」
アレ?
レーニャ、元気ない?



