「お嬢さんを俺にください!」


「俺、髪染めるから適当にしてて」



「髪?何色にするの?」



「黒
明日から学校行くから…」



「ユーヤ外人なの?」



俺も同じ質問レーニャにしたい



「外人じゃないよ
冬休み金髪にしたんだ」



「そーなんだ
別にそのままでいいのに…
似合ってる!」



「そお?」



レーニャにそんなこと言われたら
黒に戻したくない



洗面台の鏡の前

俺が染めてる横で
じっとレーニャが見てた



「ん?なに?
寒いから部屋行ってなよ」



なんか照れるじゃん



「うん、でも見てたい
黒くなるの」



「別に見てても楽しくないだろ」



「あ、ココついたよ」



「あ、ホントだ」



顔についたカラー剤をレーニャが拭いてくれた



「ありがと」



「うしろ、私が塗ってあげる!」



「いいよ
手汚くなるし…」



「いいよ
汚くなっても」



「レーニャの手
キラキラしてて綺麗だから、いいよ」



「別にいいよ
ユーヤ、前見てて!」



レーニャに言われて
鏡と向き合った



鏡の中でレーニャを見る



可愛い

なんでこんな可愛い子が?



雪の中あんなところに?



俺の髪をとかすレーニャ

夢中になってて俺の視線に気付いてない



可愛いすぎて見惚れる



キラキラしてる指先と
手首の赤いアザ



レーニャは誰なんだろう?

何歳で何をしてる人?

ちゃんと人間だよね?



謎が深まる



「ユーヤ、痛くない?」



鏡の中でレーニャと目が合った



「うん」



レーニャは
その手首痛くない?

誰に何されたの?



「うしろ、全部塗ったよ!」



「ありがと」



「ハハハー…なんかおかしいね」



レーニャに笑われて恥ずかしくなった



「うん
このカンジ、人に見られたくないよね」



テカテカオールバックの変なオヤジじゃん



特に好きな女の子には
絶対見せたくないかもね