「お嬢さんを俺にください!」


「花火終わっちゃったかな?」



花火の音がしなくなった



「最後でっかいのあがるのかも!」



レーニャに帰ってほしくなくて
そう言った



「ホントに?
大家さん来なかったね」



レーニャが西瓜を食べながら言った



「そーだね」



「こんなにいっぱい西瓜食べた夏初めてかも」


「俺も」



「ユーヤそんな食べてないじゃん!」



「ハハ…バレた?」



「うん…

こんなに楽しかった夏、初めてかも…」



「え…そお?」



「うん…楽しかった」



「それはよかったね」



「ユーヤは?
楽しくなかった?」



「楽しかったよ
レーニャは?
どのへんが楽しかった?」



レーニャの楽しかったは
俺との思い出だったらいいな…って

微かな期待をして聞いた



「ん…?
いろいろ頑張ったところかな…」



「頑張った?
あー…バイトとか?」



ちょっと期待はずれの答えで
ガッカリした



「うん…
何かのために誰かのために
いろいろ頑張った

人を…
人を本気で好きになった

こんなに人を好きになったの
初めてかもしれない」



それは…誰?



俺だったらいいって
すごく期待するけど

違っても
そうてあっても

俺の期待どおりの展開にはならない気がして
聞けなかった



「そっか…
いい夏休みだったね」