「ユーヤのこと応援したいとか言って
なにもできなくてごめんね
何か進めない理由あるの?
やりたい事って、音楽関係?」
「んー…音楽関係…
ってわけでもないんだけど…」
海外に行って何をしたいとか
まだ具体的にない
「ユーヤは、まだまだいっぱい可能性あるよ
だからやりたい事を後悔ないように…
今、後悔しないように進めばいいよ
あとのこと考えてたら何もできないよ」
「可能性…?後悔…
…
あのさ…
婚約者がいる人と
デートできる可能性は、ある?」
「婚約者…?デート…?」
俺は何を聞いてるんだ
唐突すぎる
イブキに相談するなら海外に行く方だろ
「か、可能性として聞いただけ…」
可能性はないだろ
後悔することは…ないのか…な…
「ユーヤ、その人が好きなの?」
「え…ん…うん…?え…」
誰かに相談したかった
話を聞いてほしかった
それだけ切羽詰まってる
「相手の人は?
ユーヤの気持ち知ってるの?」
「うん…
たぶん…俺のこと、好き…
とは、言ってくれてるけど…」
でも婚約者っていう肩書きには
敵わねーだろ
わかってる
「そーなんだ…
ユーヤ赤くなってる
カワイイ
本気なんだね」
女性にカワイイって言われた
褒められてるのかバカにされてるのか
本気…
「うん、好きなんだ
その子のこと、好きなんだ」
人に話すと更に本気度が増す
「いいな…若いって…
…
可能性から言うと…
私が10歳近く年下の男子高校生と
デートする可能性より
ずっと確率は高いんじゃない?」
「え…?」
10歳近く年下の男子高校生?
デート?
「私ね
ユーヤが好きだよ
ユーヤのギターもユーヤも、好き」
好き…
イブキの声が夜空に響く
「え…」
「ごめん
気持ち悪いとか、思わないで…
思うか、思うよね
…
今日、諦める
だから言った
…
ごめん」
「え…え?
今のは、告白?」
「うん、一応…
困るよね
驚くよね
ごめん、私もちょっと驚いてる」
「ありがと
気持ち悪いとか思わないし
人に好きとか言われるとやっぱり嬉しいよ」
「でも、揺るがないでしょ」
「うん…ごめん…
好きな子、いる」
「うん
…
恋愛って、立場とか年齢とか
いろいろ壁があるかもしれないけど
お互いが好きなら、なんとかなるよ
片方が好きなだけじゃ、なにも進まない
…
ホントは、私の気持ち
ユーヤに言わないつもりだったんだ
ユーヤの夢の負担になったら嫌だから…
…
ユーヤがカッコいいって言ってくれたから
カッコよく、未練なく
諦めるね
…
あ、ギターは好きだよ
これからも聴きに行くね」
「うん、ありがと
イブキはカッコいいし、カワイイよ
俺も好きだよ」
「そんなこと言って…
諦められなくなるから
そーゆーファンサービスやめてよ」
「たぶんイブキがファン第一号」
「やった!嬉しい」
星空が澄んでる夏休みの夜だった



